帝都遊郭カタルシス


  • (ていとゆうかくかたるしす)
  • ステージ:連載予定
  • カテゴリー:長編小説(夢対応)
  • 連載開始日:未定
  • ジャンル:花魁ファンタジー
  • 対象年齢:18歳以上
  • タグ:逆ハーレム/遊郭/帝都/中華風/古風/四獣/天女


窓の向こうの空を眺める

悪しき天女を封じるため
器として選ばれて二十年
左手首に刻まれた菊の紋

誰もが羨望と嫉妬で恋う
この胸の内を知りもせず

大弐本帝国『帝都:燈郷(とうきょう)』にある世界屈指の遊郭街『麒麟(きりん)』には、天女を封じる格式高い娼館が存在する。三百年以上の歴史を誇る『黄宝館(きほうかん)』の花魁は、代々帝王と四獣のみが触れることを許されていた。


世界観

燈郷(とうきょう)

その昔、天女によって二つに別れた帝国のひとつ。大弐本帝国の帝都。世界屈指の遊郭街である麒麟を中心に、東西南北を四獣(青龍、朱雀、白虎、玄武)が守る。なぜか陰禍による被害が少ないため、人が集まるようになった。おかげで都市の構造は複雑化し、不夜城として異彩を放っている。

麒麟(きりん)

帝都の中心地で、五つの高級遊郭が存在する眠らない都。数多の遊郭街がありながら、世界有数の安全区域とされているため、老若男女問わず人の出入りがある。麒麟では花魁信仰があり、難民や孤児の流れ着く場所として名高く、女性が稼げる町として若い女性が出稼ぎにくる反面、遊郭に通う客を狙う危険な輩も多く集まる。

黄宝館(きほうかん)

物語の舞台。左手首に天女を封じる証として花の紋章を刻まれた乙女「花魁」が住む高級遊郭。花魁は世界にただ一人であり、尊い存在として信仰の対象となる。黄宝館で働ける妓女は容姿、才能、技量などすべてに秀でているため、一晩過ごす金子は帝都に豪邸が立つといわれており、貧乏人は敷居をまたぐことすら出来ない。

主要用語

300年に一度、天女は地上へ降り立ち、地上の穢れを払う役目を担っていた。 しかし、300年前、天女は穢れを生んで地上を荒らしたため、時の帝は四獣と共にこれを慰め、地上の平穏を取り戻した。 穢れを生んだ天女は天界に帰ることは許されず、帝と四獣の加護の元に置かれた。
天女(てんにょ) 300年前に世界を二つに分けた悪しき存在であり、時の帝と四獣により地上に封じられた美しい娘。王が代替わりするごとに天女を封じる新たな娘=花魁が選定され、天女が天界に戻らないよう地上にとどめる器となる。あらゆる災厄をもたらしたため、天界から追放され、黄宝館に幽閉されたともいわれている。
封花印(ふうかいん) 天女を封じる器に選定された娘の左手首に刻まれる菊の紋章のこと。自分で消すことはおろか、他人が消すこともできない。刻まれたその時から、なぜか黄宝館から出ることは叶わず、花魁になることが義務付けられる。
花魁(おいらん) 黄宝館の最高妓女であり、全遊郭の頂点でもある。その姿、声や影さえも崇拝の対象であると同時に搾取・略奪の対象でもある。黄宝館から出られないため命を狙われることも多い。花魁を抱けるのは封花印が結ぶ統王と四獣王のみとされている。
統王(とうおう) 天帝と同義であり、帝国を収める王のこと。帝国は天女により、第壱帝国と大弐本帝国に分けられたが王は両国を治める統治王として存在している。統王なる者は、生涯妻をめとることはなく、花魁と添い遂げることが通例となっている。
四獣(しじゅう) 天女と交わりを持つことで世界を清めていた地上の守り人のこと。現代では、その末裔ををいう。魔娜と呼ばれる特殊な力を操り、邪獣を狩る責務を負う。各王は代々、妻を得ることが禁止され、花魁を守ることが義務付けられる。黄宝館以外の四つの高級娼館(青珠館、朱珠館、白珠館、黒珠館)を管理している。
魔娜(まな) 陰禍を払うことのできる力のこと。300年前までは天女のみが魔娜を使用できるとされていたが、天界から追放された際、四獣にその力は託された。現在では四獣の血族のみが操ることができ、神通力に似た意味を持っている。
陰禍(おんか) 地上の穢れ、よどみ、人々の負の感情。本来であれば300年に一度浄化されることで、地上に害はなさないはずだった。しかし300年前に天女がその役割を放棄したため、現在は浄化する方法がなく、邪獣を産む要素となっている。
邪獣(じゃじゅう) 陰禍の集約体。災厄を起こし、人を襲う。姿かたちは様々であり、どれも獰猛で狂暴である。四獣の持つ魔娜でしか退治できず、近年では帝国のいたるところでその被害は報告されている。

登場人物

主要人物

※Picrewの수릐 픽크루メーカー/柊祈式女子メーカーで作成しています

アザミ/薊魅

(あざみ)

名前変換可能。二十四歳。四歳で封花印を刻まれて以来、黄宝館の花魁として隔離されている。黄宝館で生まれ育ち、外の世界を知らない。見世に出る時は花魁言葉を使うが、普段は一般的な口調で話す。実は歌や舞が苦手で、臆病の寂しがりや。

統王/須王

(すおう)

28歳、金髪、金瞳。現統王。8歳で王になり、文武両道、才色兼備なことから民衆の人気は高い。自分の母を省みず、花魁を愛した父を毛嫌いし、自分は花魁に会わないと決めている。一方で色事はすべてはねのけているため、男しか愛せないのではという噂がある。

賢帝/翡翠

(青龍王 ヒスイ)

27歳、藍色の長髪、深い青の瞳。朗らかで優しく、人当たりもいいのに、ときどき瞳から光が失われるので怖い。本能タイプにはいつも警戒心を持たれるので、動物には好かれない。

炎帝/阿紅

(朱雀王 アベニ)

28歳、朱色の長髪と瞳。面倒見がよく、世話焼きな性格。でも口はあまりよろしくない。老若男女問わず慕われるため、女には騙されそうだが、線引きはハッキリしている。意外と潔癖。

雷帝/沃芭

(白虎王 イルハ)

22歳、白銀の髪と銀灰の瞳。犬歯が鋭く、大人しそうに見えて血気盛ん。遊女の言葉を鵜呑みにした苦い初恋の経験がある。女よりも男友達と遊んでいるほうが楽しい。暴れるのが大好き。

氷帝/甲螺

(玄武王 コウラ)

30歳、ローテールの黒髪、前髪が長め、かきあげる癖がある。黒に近いみどりの瞳。メガネが趣味で、時々かけている。ヒロインの義兄。ヒロインの前と他で言葉遣いが変わる。

その他の登場人物

娵菜(ヨメナ) 前花魁で62歳。伝説の花魁といわれている。20年前(当時42歳)で花魁から解放され、自由の身になったことで放浪の旅に出ている。
ゴマ婆 黄宝館の館主。101歳のやり手ばばあ。ヒロインの育ての親。
華棒(かぼう) 68歳、現役の宰相で、花魁に現を抜かす代々の帝王に代わり、実権を握った一族の長。華のつく一族は複数あり、それらを総称して華族とされる。
四大香妃 四獣が管理する高級遊郭の最高妓女たちの総称。青珠館は栄光のダナエ、朱珠館は幸福のクイナ、白珠館は初恋のフヨウ、黒珠館は慈愛のラミアとされている。