秋のとある一日

もぉ「蒸し暑いもぉ。」

うしこ「季節の移り変わり目ですからね。台風も近いので、豪雨と雷がやばかったです。」

もぉ「息苦しいもぉ。やる気が全然起きないもぉ。低気圧にやられるもぉ。」

うしこ「また根拠のない言い訳を。そうやってだらだらしたいだけでしょ?」

もぉ「違うもぉ。」

うしこ「まぁ、すぐに過ごしやすくなりますよ。」

もぉ「そしたら今度は切なくなって、動きたくなくなるもぉ。」

うしこ「センチメンタルな秋?似合わないのに。」

もぉ「ひどいもぉ。あ。鈴虫が鳴いてるもぉ。」

うしこ「秋ですね。聞いてる分には心地よくて好きです。」

もぉ「聞いてるぶんもぉ?」

うしこ「虫は苦手です。というか、羽のある生き物全般が無理です。」

もぉ「もぉ?」

うしこ「天使とか妖精は好きなんですが、実際いたら羽はちょっと無理かもしれません。」

もぉ「だからうしこさまの書く小説には空を飛ぶ生き物が少ないもぉ?」

うしこ「あー。気づきませんでしたが、それはあるかもしれませんね!」

もぉ「そういところは反映されるもんなんだもぉ。」

うしこ「そうなんでしょうね。どちらかと言えば、地に足ついた感じの方が安心します。」

もぉ「泳ぐのも無理もぉ?」

うしこ「これが意外と泳げるんですよ、私。好きです水の中。でも海は少し怖いですね。」

もぉ「怖いものが多いもぉ。」

うしこ「基本的にびびりなんだと思います。予測不可能なことが怖い小心者です。」

もぉ「だけど、心臓に毛がボーボーもぉ。」

うしこ「はい!豆粒に毛がフサフサです。なので、打たれ強い方ではあるかもしれないですね。」

もぉ「もぉは打たれ強くないもぉ。」

うしこ「いやいや、大丈夫。人見知りもしないし、臨機応変に対応できてるので十分です。うらやましい。」

もぉ「よく言うもぉ。」

うしこ「これでも神経使ってるんですよ?図太いとはよく言われますが。」

もぉ「だから、あつかましくて自分勝手でワガママな住人が多いもぉ!」

うしこ「あ。それもありかも知れません!盲点です!」

もぉ「うしこさまがもっとか弱く、おしとやかで、女子力の高い乙女だったら、もぉはもっと心穏やかな日々が過ごせたもぉ!!」

うしこ「かもしれませんね。」

もぉ「かもじゃないもぉ!」

うしこ「でも、そこは内なる少女の気持ちで乗りきりたいと思います。」

もぉ「無理もぉ!!」

うしこ「もぉ、ここは夢の世界なんですから大丈夫。私の創造領域内では、現実とのギャップがあってこそです。」

もぉ「知らないもぉ。」

うしこ「そこは付き合ってくださいよ。」

もぉ「もぉーー。」

うしこ「はい。台風なので、戸締まりはしっかりね。」