創造意欲を掻き立てられる自然の魅力
私は割りと田舎の方で育ったので、自然が大好きです。
高層マンションより古民家。
夜景より星空。
コンクリートより土。
ガーデニングより野草。
自然の匂いが癒してくれるあのマイナスイオンは、都会には絶対ないものですよね。
だからといって、虫は大の苦手なので、特に羽があって飛ぶものは思わず叫んでしまうほど苦手です。
ぶんぶん音がするだけで過剰反応してしまいますし、それはそれで迷惑な話。
この季節に鳴く鶯もビックリでしょう。
ともあれ、海より山派。
人工的なものより自然が勝っている雰囲気が好きです。
廃墟はちょっと怖いのですが、遺跡とかは大好きです。
それに、ただ単純に森林浴するだけでもかなり癒されます。
山と川のコラボレーションは一番ポイントが高く、そこに古びた寺や国宝や重要文化財てきなものがあれば言うことなしです。
虫は嫌いなのに自然は大好き。
そんな矛盾だらけの私ですが、都会はやはり性に合わないらしく、人混みにいくと息が苦しくなるし、人酔いしてぐったりします。
精気を吸いとられやすいんでしょうか。
人疲れをおこすので、自然に癒されたい願望が強くなります。
そのためか、私の小説描写に自然は欠かせません。
もちろん月も大好きですが、何千年も昔からそこにあるような何かを感じさせてくれる自然は、それだけで物語を生んでくれます。
何百年と同じ場所で花を咲かせる桜の木、
異彩を放つほど深い藤の花、
笹の葉が細い音をたてる竹林、
秋になると色を変える紅葉、
カサカサと草木を掻き分けて進む動物たち、
その空高く飛ぶタカやトンビの鳴き声に光る木漏れ日、
流れる川のせせらぎ、
吹き抜ける風、
濃厚なみどりの匂いと時々混ざる甘い季節の植物の存在。
静けさの中にある雄大な世界のすべては、まさに物語の宝庫と呼べるでしょう。
人の歴史以上の歴史が刻まれている空気の密度を感じると、思わず創作意欲がかきたてられます。
そこには人ではない何かが昔から住んでいて、特別な仕事をし、役割が与えられているのかもしれません。
ファンタジーは妄想や空想から生まれる創造物です。
神秘的な世界は、自然も空も海も捉え方次第でまったく別の顔を見せてくれるものなのだと思います。