霞みゆく記憶の中に

男は一人、白煙を見つめていた。

「こうしている間にも貴方は忘れてしまうのでしょう。私と過ごした日々を私との記憶を。」

夢の中で悲しそうに微笑むその顔を思い出せない。手を伸ばせば消えてしまう幻影に胸が痛むのはきっと、あの日つかむことの出来なかった自分の弱さ。

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ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『霞みゆく記憶の中に』

この描写イメージは、彼がひとりでボーっと貴女のことを考えながら煙草を吸っているところです。
休憩中なのか、休日なのかはわかりませんが、とりあえずプライベートな時間も貴女のことを考えているし、思っていますよ。という雰囲気を妄想してみました。

140文字小説は連載方式ではなく、一応その物語ごとに完結させているのですが、こうして解説していってみると連載も面白いかもしれませんね。
実はつながっていた。
というような、伏線を潜ませてみるのもまた一興かもしれません。

そういう意味では、煙草を吸う彼は、貴女を溺愛していたあの執事でしょうか。
さしずめ、前世の少女が夢に出てきて、なにかしら拭い去れない思いを吐き出すように起き抜けにたばこを吸ってしまったというのはどうでしょう。
そしてどうやら、後悔するような過去があったようです。

二度と繰り返さないためにも、貴女を全力で守ると密かに誓っている。

これぞ狂愛&溺愛。

お嬢様と執事。もしくは姫と騎士。
決して結ばれることが許せない立場。それでも思い合う情熱にたまりません。

どうか彼の熱烈な愛を貴女に感じていただければ幸いです。