イルミネーション・ラブ

手をこすり合わせて組み合わせる頃、視界にうつるブーツの先端。

「遅くなってごめん。」

吐く息につられて顔をあげると、照らされた瞳の中にうつる光の渦がキラキラと輝いて、彼はそっと微笑んだ。

「おかえり。」

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ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『イルミネーション・ラブ』

はい、すみません。
前回に連載の匂いをかもしだしておきながら、まったくの裏切り行為でございます。

これはイルミネーションを見に行ったカップルの待ち合わせを想像して書いたもの。
彼の方が彼女よりも先に待ち合わせ場所についていて、遅れてきた彼女を笑顔で出迎えるという、優しく器の大きな彼氏を表現したかったのです。

どれくらい遅れてきたのかはわかりません。

残業だったのかもしれませんし、家の用事かもしれません。
学校の居残り授業かもしれませんね。
それとも何か習い事とか?

元から約束していたのか、それとも急に呼び出されたのか、その背景は想像にお任せしますが、彼は彼女に会えてとても喜んでいるのでよしとしましょう。

手をこすり合わせて、組み合わせるほど寒い中、ジッと待っていてくれたのですから。
その愛情の深さに、こちらも思わず駆け寄ってしまうというものです。

もうすぐイルミネーションがいたるところで楽しめる季節ですね。
そんな場面に、ぜひ妄想を。