追跡の果てに

追い詰めた先で交わる閃光。
数ミリまで迫った鋭利な視線に犯されて、少女の喉が思わずゴクリと音を立てた。

「二度と俺の前に現れるな。」

最後の選択が決められない。
その瞳の奥に隠された悲しみが、こんなに近くにいるのに、触れられないほど遠いから。

————————————————————

ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『追跡の果てに』

仲間だった彼がチームの元を飛び出し、孤独に生きる選択をしてしまった。
必死で探して、追いかけて、ようやく見つけたと思ったのに、まるで敵を見るような冷たい瞳で彼は突き放すような言い方をしてくる。

このまま、ついていくこともできる。

けれど、彼が飛び出す原因になったことを知っているから、迷ってしまう。

足手まといになるんじゃないか。
迷惑がかかるんじゃないか。
自分のことすら嫌いになったのではないか。

自信がないから不安になる。
不安になると、途端に言葉が見つからない。

このまま見送るべきなのだろうか。

追いかけてきたのに、探していたはずなのに、実際に出会ってしまうとそこから先が踏み出せない。
一歩も動けない。

そんな一場面を想像して書きました。
この状況で次に発言する一言が、物語進行のカギとなる場面です。
選択の自由はいつでも主人公にあり、そして誰もが主人公になれます。胸の内を吐露することは勇気がいることでしょう。私も決して得意ではありません。
だからこそ、大事だと思える場面では後悔しない選択ができるようにしたいと思います。