暴虐の雨音

バケツをひっくり返したような雨の中。パシャパシャと水たまりにハマる足音が聞こえてくる。。

「はぁっ…はぁ…っ」

その手に抱えた大事なものを濡らさないように守りながら、彼女は焦燥にかられて通り過ぎていく。
まるでずぶ濡れ猫のように、震えながら孤独に一人かけていく。

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ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『暴虐の雨音』

台風の影響で避難勧告が出る中、妄想した物語です。
側溝から濁流が溢れ、道路に水があふれる中、少女は必死に走っていきます。

その小さな両手で大切に守られているものは何なのか。
悪天候の中、彼女を狙うものたちが動き、ひしめき、手を伸ばして捕まえようとしてきます。
少女は逃げる。
振り返ることなく、足元の悪い中を走っていく。

風はどんどん勢いを増し、雨はどんどん重く体にのしかかるけれど、彼女は息が続く限り走り続けていく。
味方なんて誰もいない。
雨に濡れた体は寒さを感じ、少女の体力はどんどん奪われて行きます。

「キャッ」

お決まりの展開ですが、ここで将来的に味方になる、この時点ではまだ謎な男であるイケメンとぶつかってほしい!
彼女が大切に抱えるものは、彼らにとっては殺してでも奪いたい大事なもの。
それを最初は彼女を守るつもりではなく、敵にその宝を奪われないように守るつもりでいたイケメン男子もいつしか少女に心を奪われ、一緒にその宝を元あるべき姿に戻す手伝いをすることになる。

という流れを想像していました。

もちろん140文字の世界の中ではそこまで表現できないので、続きは皆さんの想像力にお任せすることになるのですが、色々な展開を妄想して楽しんでいただければと思います。