小説の書き方
小説の書き方を聞かれたので、久しぶりに真面目な話を書いてみようと思います。
(※あくまで独学による個人の見解です。現在の私なりの書き方を述べているだけですので、苦情は一切受け付けません。)
私の小説の書く手順は全部で七段階ほどあります。
【1】書きたい話のジャンルを決定する
基本的にファンタジーですが、ファンタジーの中にも様々なジャンルがありますよね。
(世界観のジャンル)
和風、洋風、戦闘、戦争、大河、中華、トリップ、現代、ヒストリカル、SF、など。
(文章のジャンル)
恋愛ベースで行くのか、物語重視で行くのか、エロをベースにするのか、など。
(雰囲気のジャンル)
ダーク、シリアス、ハッピー、コメディ、ほのぼの、など。
いま自分が書きたい「これ」というものが自然に湧いてきますので、その欲望のままにジャンルを絞り込みます。
【2】その世界の資料をそろえる。
書きたい要素が決まったら、次はその世界を構築するために資料を集めます。
植物の名前、宝石の種類、星座の成り立ち、神話・伝説・童話などの解釈などです。
時には歴史を勉強しなおすこともありますし、医療関係などまったく未知な世界を学ぶこともあります。
まったくのオリジナルだとしても、世界観を統一させるために文化を調べたり、他の作品を読んでインスピレーションを高めたりすることもあります。
無知のまま書いていたころの作品、その都度その都度調べまくりで、ぜんぜん書き進めることが出来なかった。
事前準備、これの大切さをもっと伝えたい。
【3】登場人物を作成する。
世界観がある程度固まったら、ようやくここで登場人物の構成に入ります。
ここで注意しなければならないのは、容姿に固執しないことです。一昔前に、金髪はみんなが使いすぎて売れない。と言われたこともありますが、自分の世界観がきちんと定まっていれば髪の色なんてなんでもいいんです。
とはいえ、描写に容姿は大事ですので、私はきちんと決めておきます。
(容姿)
髪の色、目の色、肌の色、服装、など
(喋り方)
自分の呼び方、相手の呼び方、複数の呼び方、記憶の中の人の呼び方、登場人物同士の呼び方、など
(話す癖)
敬語、関西弁、フレンドリー、語尾に特徴がある、など
(役)
主役、敵役、脇役、モブ、重要人物、など
(その他)
家族構成、癖、装備品、魔法、特技、弱点、など
あまり意識しないのは、身長、体重、血液型などですかね。多少の大きい、小さいは頭の中でイメージとしてありますが、漫画やイラストを描くわけではありませんので、そういう描写に困らない部分はあまり決めません。
一番大事なのは、そのキャラクターの喋り方や性格だと思っています。
【4】登場人物たちの背景をざっくり考える
登場人物たちにもきっと家族や友達、仲間がいたり、いなかったりするはずです。
主人公と最初から行動を共にするなんて兄弟でもない限り、必ず「出逢うきっかけ」があるはずです。
そういう意味では、相関図とも言えるかもしれません。
最初は敵だけど、あとで仲間になるとか。今は仲間だけど、あとで敵になるとか。そういうおおまかな関係性をざっくり考えておきます。
どうしてざっくりかって?
キャラクターが自由に動き始めることがあり、時として作者の意図を裏切るときがあるからです。
「え、ええ? 仲間って、あんたそう言ってたじゃん!!」
「うそ、まじで。こいつ実はめっちゃいい奴だったの!?」
主人公以上に泣いたり、驚いたりすることが日常茶飯事です。はい。
【5】世界観の肉付けをする
登場人物たちが暮らす世界の肉付けをします。
住んでいる土地の名前や流行しているもの、主要都市や言い伝えられているものなど。
これが意外と妄想が広がりすぎて時間がかかるのですが、考えているとあとから便利なので、私は考えるようにしています。実際は使わなかった設定や、登場しなかった地名や地形などは山ほどあります。
(あまり使用しないけど、考えていること)
・主人公の両親の名前や性格。
・その世界の貨幣
・政治や宗教
・村の特産物
など
舞台設定と言ってもいいですね。
どんなドラマにも主人公の住む家や、拠点となる場所、敵陣など、そういう人物以外に主要になってくるものがあると思います。
剣やドラゴンなど、カギとなるものの存在も「なぜ、それが存在しているのか」背景があった方が深みが増すような気がしませんか?
【6】その世界の歴史を考える
これも後から便利になるものですね。最初、書き始めたころはまったく考えていなかったのですが、最近になってきちんと考えるようになりました。
そりゃそうですよね。
いくらファンタジーと言えど、きちんと積み重なってきた歴史があって今があるんですから。
そういう当たり前のことに気づいたのは五本以上書いてからですね。
なので、大体100年くらいの歴史は日本史のようにきちんと時系列で並べるようにしています。
これ、大事。「時系列」
十年前、とか。一週間前、とか。
あとからおかしくならないようにするためにも、歴史背景はきちんと持たせているほうがぶれずに書くことができます。
【7】全体構成を組み立てる。
ここにきてようやく全体の構成を考えます。
全部で何話の展開で考えるのか、大体何ページくらい書くのかによって長編、短編になります。
私の場合、フォレストページ様出身のため、ひとつの物語を24話の構成で作ることが多く、1ページ2,000文字程度×7~8ページを1話としています。
2,000文字×7ページ×24話=336,000文字
1話=14,000文字
1章=14,000×4=56,000文字
これが長編を作成する上で私が基本としている文字数です。
プロローグとエピローグは、4ページ以内に収めるように書いているので、大体はこの文字数よりも少なくなります。
章はこんな感じ。
1話=プロローグ
2~4話=第一章(日常)
5~7話=第二章(予兆)
8~11話=第三章(遭遇)
12~15話=第四章(葛藤)
16~19話=第五章(衝突)
20~23話=第六章(解決)
24話=エピローグ
短編は起承転結があればいいので、大体12ページくらいで納めます。
このあいだのオルギスは7万文字書かなければならなかったので、約8話構成でした。
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こういう流れで小説を書いているのですが、きっと小説家さんによってその書き方はいろいろあるのだと思います。私もぜひ知りたいですね。
独学で書いて、今の状態がこれですので、また数年たてば私の書き方も変わるかもしれません。
あと最後に一つ。
大事なのは「やらないこと・禁止事項」を決めることです。
・死人を出さない
・方言を使わない
・常識を取り入れない
など。それは物語によって違いますが、特に私が気を付けているのは、「現代語を使わない」です。
昔の話を書くのであれば、「ベッド」「トイレ」などはその時代にはあり得ないだろうし、和風の中に洋風の言葉は違和感があったりします。逆もまたしかり。当然、人物などもです。
舞台設定が和風なのに、登場人物が全員異国風の名前なんてつけないですよね?
ジョニーが「殿!大変でござる!」とか、コメディーならありだとは思いますけどね。
私は完結までかける気がしないので、手を出しませんが・・・あえてそこに挑戦する方はいらっしゃると思います。
なんて、偉そうにここまで書いてみましたが、私もまだまだ発展途上の修行の身です。
たくさんの作品に触れて、いろんな経験をしながら、自分らしい小説を書いていけるように日々頑張っていきたいと思います。