秋風の共有

ゆらりゆらりとカーテンが手招きする先で、振り向いたキミの瞳が、鋭い視線でこちらを射貫いてくる。

「こらっ。」

誰にも聞こえない。空気にも似た小声の叱責に、優越感を得た欠伸が、くすりと眠気の風を溶け込ませていく。

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ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『秋風の共有』

温かな気候でしたので、風が気持ちよく、眠気の誘われる午後でした。
こんにちは、皐月うしこです。

秋晴れの綺麗な天気がここ数日続いていましたが、どうやら明日はあいにくの雨のようです。
湿気が多くなってきたので、その影響で温かく感じ、風がでてきたのでしょうね。
そうとは知らず、呑気にのんびりとした思考回路で過ごしていました。

中学生や高校生の頃にあった「自習」

ふと、そんな光景を思い出して・・・が、今回のイメージです。

実はお互いが片思いをしていて、まだ両思いに至っていないクラスメイト。
午後の授業中、眠気の誘われる先生の話をそこそこに、思わず寝る体制をとるまえに欠伸がポロリ。

斜め前に座っていた片思いの相手が、ちょうどそのタイミングで振り返ってきて。

「こらっ」

って、息を吐くみたいに小さな声で叱ってくれる。

口パクっていうんですかね。まるで二人だけの秘密みたいで、優越感を得たあくびの主は思わず笑顔になったのでしょう。
くすりと口角があがってしまうのですが、それでも眠気は健在なので、脱力しきった状態。
片思い中の楽しいときですよね。
初々しくて、それでいてドキドキする。

周りにいるクラスメイトに気づかれないように、お互いを意識して視線で追いかける。

あーーーいいな。学生。

そんな甘酸っぱい、こんな小説みたいな恋は経験していませんが、今ならもっと恋を愉しめそうな気がします!!