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露見した心情

心の靄が晴れるように、澄んだ空気が肺に深く流れ込んでくる。

「ああ、そうか。」

誰に対してのつぶやきだったのか。気付いてみれば簡単なことでも、人間は自分に対しては鈍感な生物らしい。息とともに零れ落ちた言葉の意味に、白む夜明けの中で、男は一人自嘲気味な笑みを浮かべた。

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ツイッターの「#140文字小説」に投稿した内容を深掘りするコーナー

タイトル『露見した心情』

こんにちは、皐月うしこです。

これは私の気持ちを代弁させた140文字小説になります。
人間は自分のことに対しては随分と鈍感で、わかっているつもりでも全然わかっていないものだと、あらためて認識させてもらえる時間を過ごしたので、書きました。

人は、案外自分が思っているものとは違うものです。

見ている世界は人によって違うもの。
感じ方も考え方も、周囲の視線が自分をどう見ているのか。
それは知るのも怖いし、知りたくもない。
自分が弱っているときや後ろめたい感情があるときほど、他者の視線は避ける傾向にあります。

自分でも嫌いな、自分のイヤな部分というのは、他人でしか見えないもの。
指摘されるのが怖くて、勇気が出ない。
直球でそれを隠さず言いに来る人を無意識に怖がってしまいます。苦手とも感じます。
けれど、そういう人と逃げずに向き合ったとき、最初はしどろもどろの言葉しか出てこなかったとしても、本音をぶちまければ必ず相手は答えてくれます。
それがいい結果じゃなかったとしても、自分の中にある靄は晴れます。

答えが何だか意外なところで見えて来たります。

本当は思っていたことと違う場合が多々あります。

自分よりも相手の方がもっといろんなものを見えていたのだなと気づかされることもあります。

大事なのは固執しなこと、自分の意見に溺れないこと。

「素直になりなさい。」

私が愛欲の施設の幸彦様に言わせている台詞の一つでもありますが、自分に素直になることは意外とむずかしいものです。それが本音か建て前か、自分の記憶はよく自分都合のいいように改ざんします。
真実から目をそらせずに、自分の弱さや愚かさもきちんと受け止められる、心の素直な人に私はなりたいと思います。

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