京都文学フリマお疲れ様でした

2019-01-21

こんばんは、皐月うしこです。
初めての京都文学フリマ、無事に終了することが出来ました。応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。一人では乗り越えられなかった一日。こうして笑顔で語ることが出来る幸せを本当にありがとう。

さて、ここからは少しお客様としてではなく、出店側としての視点で当日を振り返っていきたいと思います。今後文フリに参加される方の助けに少しでもなればいいな。お客さんとして足を運ばれる方は、こういう裏側を知って、どんどん文フリに足を運んでいただきたいです。

※補足※

即売会では「店舗側=売り手」「お客様=買い手」というそうです。これは、売る方も買う方も同じ立場・目線だという対等の意味を込めて使われるそうですのでご周知ください。なお、以下の文を含めこの手記は、即売会の言い方を知る前に書いたので私の言葉のままになっています。

通販の案内

今回出店した作品は、通販でもお買い求めいただけます。
https://fancyfield.thebase.in/

1:準備期間

申し込み~当日まで

申し込みから文学フリマ開催まで、長くて大体半年の期間があります。開催会場は決まっているのですが、ブース自体は開催の約2週間前までわかりません。
選べるのは「小説」「詩歌」などのジャンルで、お友達と隣通しの出店希望などの要望も出せます。自分がどのジャンルで出店するのかを事前に登録します。費用は1ブースの出店4500円。これは、長机半分+椅子1脚の計算です。
お友達や売り子さんなど、自分以外にもう一人の席を確保するにはイスのみ1脚追加(+500円)しておくと助かります。

気になるブースの大きさ

幅90cm×奥行き45cm×高さ70cmです。
私は110cm×150cmの布を持っていき、足元を隠せる仕様にしました。これは、机の下に在庫などを置いたり手元をあえて隠したり出来るようにするためです。疲れてきた足も気にしなくてすむのでおススメです。
ただ、150cmは長かったかもしれないので、実際は130cmほどで良いかと思います。布地屋さんにいくと、布の幅が生地によって決まっていますので、お店の人に「130cmの長さでください」っていうと簡単に買えます。金額は布にもよりますが、これはあくまで「本の下に敷くもの」なので自分の世界観を出しつつ、派手にならないものを選ぶとよい雰囲気かと思います。

参考memo

布を用意する場合は「130cm」

本の制作

今回の京都では年末年始が準備期間にあったので、印刷所のお休みが重なることが多く、早めの準備が求められました。大体、4日ほど前には会場近くの配送センター必着なので(今回の京都文フリでは開催日が1/20で、会場近くの配送センター着目安が1/17、宅配に出すのは1/14以降と決まっていました)余裕をもった制作をするようにしましょう。
文学フリマ開催日の1か月前には、販売したい本はすべて手元にあると安心ですね。

本が出来たら「見本用」を2冊確保します。
これは「文学フリマ見本コーナーに提出する本」と「自分のブースに足を運んでくれた人のための見本」用です。販売したい冊数にプラス2冊追加しておくのがいいです。

参考memo

「文学フリマ見本コーナーに提出する本」は文学フリマより指定様式の紙が同封されるので貼り付けておきましょう。「自分のブースに足を運んでくれた人のための見本」には、見本シールを貼っておくと親切です。

無料配布物の準備

これはもう名刺があれば十分です。
今回、無料として100部ほど用意しましたが無料は名刺だけでいいなと思いました。チラシコーナーに手に取ってもらいやすいチラシを置くのもありですが、そこも名刺で大丈夫そうです。
あえて宣伝したいものがあるのであれば、専用のポストカードとかそういうものがよさそうですが費用はできるだけ抑えたいところ。気になるお店だと認識されれば、足を止めてくださいますし、見本誌を見てくれるので自分のこだわったところを(勇気を出して)声かけするほうがよっぽど価値があります。

参考memo

チラシコーナーや無料配布物は名刺が一番、そのぶんこだわると吉

POP制作

当日、そんな余裕ありません。事前準備にこしたことはないです。ポップが苦手という人でも「金額」くらいは記載していたほうがいいです。安売りやたたき売りはお勧めしません。自分の作ったものを粗末に扱っては一番ダメです。SALE価格にする場合でも作った費用以上に下げないようにしてください。
本一冊を作るのに、お金はもちろん、時間も労力も工夫もこだわりも夢も感情もたくさんのものが詰まっています。
大体、販売価格の目安は300~800円。1000円を超えると、よほど表紙がいいか、その作家さんが元から好きかの二択に限られてくると思います。いくら見本誌コーナーがあるといえど、初見の人から1000円を出して買うハードルは高いです。
500円はよく見るので、価格設定に迷ったらワンコインで購入できる金額がよさそうです。

ちなみに、会場では「京都文学フリマおススメ本」みたいな帯が一枚もらえる(ブースにイスと一緒においてある)ので、それはぜひ活用しましょう。

参考memo

価格と本の内容が一目でわかる工夫を考えておきましょう

2:当日

会場自体は11:00~16:00まで(開催する場所によって若干異なります)ですが、出展者は約1時間前から入場可能です。この際、文学フリマより届く封筒の中に「チケット(1ブースにつき3人分)」が入っていますので、それを忘れないようにしてください。忘れたら入れません!!

ここでは当日の私のスケジュールを元に掲載します。

タイムスケジュール

9:50 会場最寄り駅到着
10:00 会場入り

会場に入るとまず自分のブースの位置に直行してください。ついつい作業をしている人に気をとられがちですが、そんな暇はありません。事前に自分のブース番号と入口からブースまでの位置を確認しておきましょう。
ブースに到着したら「配送しておいた荷物」がきちんとあるか確認します。足りない場合はすぐにスタッフへお声をかけてください。机の上にイスとチラシが乗った状態で準備されているので、イスをおろして、荷物を開放し、お店作りの準備に入ります。お店の準備時間は「50分」です。思っている以上に短い!!!余裕なんかないので、お店のレイアウトはざっくりでもいいので、考えておくことをオススメします。この時間に、見本誌コーナーに用意しておいた見本誌を提出し、チラシコーナーには名刺を置きましょう。

10:50 あいさつ
開場10分前になると、館内マイクでアナウンスが流れスタッフの挨拶があります。隣や近隣の人とあいさつしたり、これからみんなで盛り上げるぞーっていう拍手がメインです。
長机を半分にわけあうのですから、緊張する、コミュ障など言わないでちゃんと「よろしくお願いします」が笑顔で言えるといいですね!

11:00 開場
はい。すぐお客さんは来ません。とりあえず座って飲み物でも飲んでください。会場はとても暑いです。フォロワーさんや知人がまずは顔を出してくれると思いますので、声を出すように心がけておくと良いです。

12:00 お昼
午前中に売れる本は知人がメインです。人の出入りはありますが、大体が誰かの知人ですのでブース周辺にたまったり会話で盛り上がったりされているところがあります。お昼ご飯は自分のブースで食べられます。お弁当を持ってきてもいいですし、何か小腹を満たすおやつなんかもいいと思います。
誰かが店番を変わってくれるのであれば、外に食べに出てもよさそうです。私はあえて座っていましたが、意外とお昼どきからお客さんが増え始めるので、無人というのは避けた方がいいかと思います。

14:00
お昼が終わると人が増え始め、見本誌コーナーや休憩ブースに人が溢れかえります。この時間はきっと「吟味time」なのでしょう。午前中に知人を回った人は、新しい出会いを求めてうろうろし始めます。午後から来た人は、その空気に流されてまずは全体をまわってみようとする雰囲気がありました。本が売れるには一番少ない時間帯だと思います。この時間にトイレ休憩などとるのが良いかもしれません。
(ちなみに、この時間帯から会場内でもスタッフのアナウンスが定期的に流れ始めるのでかなりの騒音が予想されます)

15:00
ここからラスト一時間。一番売れます。行き交う人々にめげずに声をかけましょう。「いらっしゃいませ」「読んでみませんか」「ご覧ください」なんでもいいです。一番効果があったのは「○○とか興味ありませんか?」です。ファンタジー好きですか?詩読んでみませんか?紙が他とは違います。印刷に工夫しました。など、自分の世界観を口に出して呼び止めると興味のある人は見本をとって読んでくださいます。名刺だけでも渡せるといいですね。
ブース出展をしている人たちも回り始めるので、可能であれば少し抜けて回ってみるのもありです。
見本誌コーナーでみた本を求めてくる人もいます。「こういう本って他にも出していますか?」という質問をいただけた私は幸せでした。次も作ろうって思えますし、「自分の名前=○○」っていうお店像がなんだか繋がっていくような気がします。

16:00 片付け
16時前に撤収するのは勿体ないです。片付けの最中でもお客さんは来ます。16時までは営業時間なのですから「かけこみ」の人にもちゃんと対応しましょう。15時半くらいから「片付け」のアナウンスが流れ始めますが、焦る必要はどこにもありません。大丈夫です。
在庫を家に郵送する際は、入り口にいるスタッフが「着払い」のヤマト便用紙を持っていますので欲しい数だけもらいましょう。郵送するものを、最初に開封した段ボールに詰めなおして、地図にある「宅送コーナー」に持っていくだけです。
イスも机もここではみんなで片づけます。
開場を空っぽにするので、協力し合えるといいですね。ただし、金品から目を離さないように!!

17:30 懇親会
私は参加しませんでしたが、19時あたりまで懇親会が予定されていました。時間と予算が可能であれば、ぜひ参加してみると色んな出逢いがあるかもしれません。

あって便利だったもの

1:電卓
計算しやすいものでも、きちんと金額掲示することで売買の信頼関係が生まれると私は思っています。

2:S字フック
これはイスの裏側につけて「カバンかけ」に利用したり、「ゴミ袋」をかけたりするのに便利

3:販売表
何の本がどれだけ売れたのか「正」の字で売れるたびに書き足していきます。売上もすぐにわかりますし、売れた数も把握しやすいのでおススメです。
「作品名」「金額」「売れた数」だけでも記しておくと今後の参考になると思います。

4:カッター&ガムテープ
これは、郵送物の梱包の「開封」「封印」に必要です

総合して今後へのまとめ

本は3種類に絞る

1:絶対これ買ってほしい!!!
・価格的に500~1000円以内
・ど真ん中に配置
・宣伝や告知はこれを主体に行う
・現地での声かけも主体に行う
・文フリで配布される帯を巻く
・用意する数は20冊ほど

2:こだわりは詰め込んだ!!
・価格的に500~1000円
・右側に配置
・熱く語れる要素をもっておくと意外と花が咲く
・用意する数は10冊ほど

3:これも実はおすすめなんだな!
・価格的に300~500円
・左側に配置
・まずは自分を知ってもらうためのバイブル本的な役割をもつイメージ
・用意する数は10冊ほど

この三冊(大体40冊ほど)と名刺があればいい。
多くて5種類までだなと思いました。意外と狭いんですよ!!!
90cmの中に8種類は狭かったです。でも、自分のお店にあった作品に迷っている場合は最初は色んなものを販売してみて、徐々に絞っていく方法もありです。

おつりは15000円ほど

販売する本の価格にもよりますが、大体100円で区切る販売価格が一般的です。ですので、必然的に100円玉のお釣りの準備が多くなります。
今回、私は「300・400・500・600・700・800」という金額で販売していました。
用意したお釣りは3万円分「100円×100枚、500円×20枚、1000円札×10枚」です。重たかっただけでした。笑
お釣り100円玉×2枚しか使わなかったんですよ!!すごい。
やはり「お釣りはないように」というルールが浸透しつつあるからでしょうか。ものすごく助かりました!!ありがとうございます。

出展される方は「100円×50枚(ケース1本分)・500円×10枚、1000円札×10枚」あれば心もち大丈夫かなと思います。

そして最後に

告知大事!!宣伝恐れるべからず!!

自分のブースの番号と場所。一番一押しの本の紹介。ちゃんとするべきです。あれもこれも言う必要はないですが、出展する以上、お客様を迷わせない配慮はしておくべきです。
「行きたいのにどこかわからない」
「出店しているはずだけどいないのかな?」
これを聞くたび思いました「勿体ない!!!」って。 あと、相互とか気にしなくていいから会場にきたら声かけてほしい。初めてさんでも、馴染みの人でも、声かけてほしい。買わなくていいから、差し入れもしなくていいから、会える喜びを分かち合って、一緒の空間を楽しみましょう!!

▼次回出店予定▼

2019年9月8日(日)大阪文学フリマ
2020年1月19日(日)京都文学フリマ

通販の案内

今回出店した作品は、通販でもお買い求めいただけます。
https://fancyfield.thebase.in/