YouTube始めました(40秒小説を朗読)
こんにちは、皐月うしこです。
いつもありがとうございます。YouTubeで動画の配信も始めました。
40秒でさくっと終わるオリジナル小説を朗読という形で提供しています。
処女作:森の妖精
「森の妖精」物語の内容
妖精はひとり、泉のほとりに座っていた。森の中は静かで、心が穏やかになるような不思議な気配で満ちている。さわさわと泉に流れ込む川の音が聞こえ、さえずりを歌う鳥の声が遠くで飛んでいく。そっと風が髪をなでる。吹き上げられた木の葉につられて見上げた空は、穏やかな雲が流れていた。
「森の妖精」の裏話
最初はツイッターであげていた140字SSですが、もっとたくさんの人に知ってもらいたい、読んでもらいたいという思いから今回朗読小説というものを始めてみました。
詩の朗読をノリでやってみて、思わない反響をいただいたので、勢いに任せて作ったものになります。
意外と楽しく、また違った表現が出来ることが分かったので、動画小説もありかと着手することを決めました。
連作:百年待ちの魔女
「百年待ちの魔女」物語の内容
その小さな店は不思議なもので溢れていた。山猫の尻尾で作られた帽子、ラピスラズリを削った笛、竜の鱗で出来た簪、異国から流れ着いた瓶詰めの船。それらが乱雑に並べられた棚に囲まれて、この店の中央には主人が座る椅子がポツンとひとつ飾られていた。誰もいない。時間を忘れそうな穏やかな匂いが店内には漂っている。その時「いらっしゃいませ」と控えめな声が聞こえてきた。
魔女だ。内心の緊張が現実になってしまった。深い海の底のような雰囲気を携えて、魔女はゆっくりと中央に飾られた椅子へ向かっている。途中にあるものなど、まるで興味がないように。透き通る青い空色の目で、真っ黒な夜を着て、煌めく月のような柔らかな髪が揺れている。そして椅子に腰かけるなり、鈴のような声で魔女は一言「いやよ」と笑った。
心臓がドキドキと早鐘を打っている。まだ何かを伝える前から、魔女は口を開いて呪文を唱えるように言葉を放ってくる「楽しみにしていた私の百年を盗んだんだもの。猛毒が体に回って苦しんだとしても、それは自業自得よ。天使のように真っ白な、あなたの大切な子は魔女の呪いにかかったの」魔女の呪い。本当にそうかもしれない。あの子は苦しんでいる。だからここに来たのだ。
あの子は、百年に一度咲くという魔女の花を盗んだ。望んだ姿になれるという幻の花。「他の何かになれるわけなんかないのに」憧れが彼女を蝕んだ。「なれるわよ」魔女は言う「あなたが戻る頃には彼女は猫になっているわ」信じられなかった。いや、信じたくなかった。「ここにもう一輪あるの」魔女が怪しい笑みで差し出してくる。迷いはどこにもなかった。
魔女はポツンと一人、不思議な店の中にいた。「彼も猫になる道を選んだかしら、それとも彼女を人間に戻すのかしら」くすりと静かに笑う魔女の足元に一匹の猫がすり寄ってくる。月のように銀色の毛並みをした青い目の猫。魔女はそっと抱き上げて、猫の額にキスをする。「また百年、待ってくれる?」そう声をおとした魔女をなぐさめるように、猫はニャーと、優しく鳴いた。
「百年待ちの魔女」の裏話
同じ声を出し続けるのって難しいですね。聞いていただいた方はわかると思いますが、全部声が違うという・・・かろうじて1と3が似ている?いや、同じ人です。笑
全部私なのですが、素人感が出まくりですね。
声優さんをあらためてすごいと思います。同じ世界観で同じ声を出し続けるってとても難しいです。
上達するのかしら?
次回作はまだ未定ですが、ひとつ私のレパートリーが増えました。
皐月うしこのYouTubeチャンネル↓
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今後もよろしくお願いいたします。