(日常)スランプ脱却もあと少しの予感
うしこ「もぉぉぉおお!」
もぉ「ッも、もぉ!?」
うしこ「会いたかったよ~。」
もぉ「ちょっ、なにするもぉ、放すもぉ!!」
うしこ「あー。癒される。私の癒しです。」
もぉ「何 ...
廃墟の歯車
しとしとと静寂に支配された世界の中で、長いまつ毛が微かに揺らぐ。
かつては栄光を極めたであろう人類の遺産。廃墟と人は言うが、彼女はその場所が気に入っていた。
「そこにいるのは、誰?」
目覚めた少女の鈴音 ...
湿気城の吸血姫
湿気とカビの入り混じったほこりっぽい空気。
声をかけた美麗な青年は、次の瞬間、その首に噛みついた牙へ笑みをこぼす。
「そんなに焦らないでください。」
よしよしと撫でるその手に、柔らかな髪が甘えるように揺 ...
逆ハーレム夢小説が好きな人に読んでほしい
こんにちは、皐月うしこです。
逆ハーレム小説を日々妄想しているのですが、最近ではBLや異世界チートが人気のようで、なかなか「逆ハーレム」というジャンルにスポットが当たらないことを悲しんでおります。
逆ハーレムとは、 ...
巡る秋の乙女心
引き寄せられた後頭部に、いつもと違う鼓動の音が聞こえてくる。
全然知らない男の顔をした見慣れた人。
肩ごしの耳に震える吐息と、少し体に響く重低音。
「俺じゃ、ダメなのか?」
答えられるはずもない ...
秋風の共有
ゆらりゆらりとカーテンが手招きする先で、振り向いたキミの瞳が、鋭い視線でこちらを射貫いてくる。
「こらっ。」
誰にも聞こえない。空気にも似た小声の叱責に、優越感を得た欠伸が、くすりと眠気の風を溶け込ませていく。 ...
晩秋の望郷
風がホホをなぞる。
世界はこんなにも美しいと、眼下に広がる光景をみて、記憶の片隅に眠っていた横顔を思い出した。
「大きくなったら、一緒にこの町を出よう。」
今はもう誰もこの町にはいない。
何も疑 ...
十六夜の帝王
暗い闇の中で神々しく煌く月を携えながら、彼はひとりそっと口を歪める。
闇に溶け込んだ黒い顔で吐き出された息の重さに、思わず彼を崇めていた足達が一歩さがった。
「待ちくたびれたぞ。」
その瞬間、闇は影とな ...
小説の書き方
小説の書き方を聞かれたので、久しぶりに真面目な話を書いてみようと思います。
(※あくまで独学による個人の見解です。現在の私なりの書き方を述べているだけですので、苦情は一切受け付けません。)
私の小説の書く手順は全部 ...
親愛のセレナーデ
モノトーンの鍵盤を叩いていると、いつも浮かぶ情景がそこにある。
「あなたが弾くとまるで物語ね。」
あの人は確かにそう言っていた。これだけ灰色に染まった世界の中で、瞼の裏に映る譜面だけが鮮やかに色づいている、と。 ...



