/* ピンタレスト用 */

壊れた街灯さえも震える寒い冬の兆しが見え始めた頃、男はようやくその顔をあげた。

「こっちは終わったぜ。」

足元には数時間の残骸が屍のように転がり、近づいてくる気配も静かにそれを避けてくる。

「ん?」 ...

踏みしめる濃密な絨毯に、足取りが重たく変わっていく。ホテル内は静寂で、目当ての部屋へと向かう体も息を潜めていた。

「ここだな。」

たどり着いた重厚な扉の前で、男は取り出した愛用の拳銃に唇を落とす。その瞬間、鋭く ...

ポッキーの日ということで、ツイッターにも挙げたショートSSをまとめておきます。

「愛欲の施設」

輝「よっしゃ、できたぜ。」
竜「なにこれ。何、作ったん?」
晶「今日はポッキーの日らしいからね。」 ...

うしこ「もぉぉぉおお!」

もぉ「ッも、もぉ!?」

うしこ「会いたかったよ~。」

もぉ「ちょっ、なにするもぉ、放すもぉ!!」

うしこ「あー。癒される。私の癒しです。」

もぉ「何 ...

しとしとと静寂に支配された世界の中で、長いまつ毛が微かに揺らぐ。
かつては栄光を極めたであろう人類の遺産。廃墟と人は言うが、彼女はその場所が気に入っていた。

「そこにいるのは、誰?」

目覚めた少女の鈴音 ...


湿気とカビの入り混じったほこりっぽい空気。
声をかけた美麗な青年は、次の瞬間、その首に噛みついた牙へ笑みをこぼす。

「そんなに焦らないでください。」

よしよしと撫でるその手に、柔らかな髪が甘えるように揺 ...

こんにちは、皐月うしこです。
逆ハーレム小説を日々妄想しているのですが、最近ではBLや異世界チートが人気のようで、なかなか「逆ハーレム」というジャンルにスポットが当たらないことを悲しんでおります。

逆ハーレムとは、 ...

引き寄せられた後頭部に、いつもと違う鼓動の音が聞こえてくる。
全然知らない男の顔をした見慣れた人。
肩ごしの耳に震える吐息と、少し体に響く重低音。

「俺じゃ、ダメなのか?」

答えられるはずもない ...

ゆらりゆらりとカーテンが手招きする先で、振り向いたキミの瞳が、鋭い視線でこちらを射貫いてくる。

「こらっ。」

誰にも聞こえない。空気にも似た小声の叱責に、優越感を得た欠伸が、くすりと眠気の風を溶け込ませていく。 ...

風がホホをなぞる。
世界はこんなにも美しいと、眼下に広がる光景をみて、記憶の片隅に眠っていた横顔を思い出した。

「大きくなったら、一緒にこの町を出よう。」

今はもう誰もこの町にはいない。
何も疑 ...